水道の収録用語:ウォータハンマ
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ウォータハンマ
「ウォーターハンマー」は、流体力学および流体工学の用語で、特定の条件下で水や他の液体が流れる際に発生する現象を指します。ウォーターハンマーは、急激なバルブの閉鎖や急激な流体の停止によって生じることがあります。この現象は、水道管や配管システム、さらには他の流体が流れる管路や配管システムに関連しています。
ウォーターハンマーの主な特徴や影響について以下に説明します。
●衝撃波の発生
ウォーターハンマーは、流体が急激に停止されるとその流体中に圧力波が発生する現象です。この圧力波は管内を伝わり管壁や設備にダメージを与える可能性があります。
●ノイズや振動
ウォーターハンマーが発生すると、水道管や配管システム内でノイズや振動が発生することがあり管路の急激な圧力変化によるものです。
●機械的な損傷
ウォーターハンマーが継続的に発生する場合、配管やバルブなどの設備に損傷を与える可能性があり、配管壁のひび割れや漏水やバルブの故障などを引き起こすことがあります。
ウォーターハンマーを防止する方法には、次のような手法があります。
●アキュムレータの使用
a.アキュムレータは、圧力変動を吸収するための装置でウォーターハンマーの影響を緩和するのに役立ちます。
●ソフトウェア制御
b.自動バルブ制御などのソフトウェアを使用してバルブの急激な閉鎖を防ぐことができます。
●バルブの緩やかな閉鎖
c.バルブを緩やかに閉じることで急激な圧力変化を緩和することができます。
ウォーターハンマーは、流体工学と流体力学の重要な現象であり設計や運用において考慮される必要があります。特に大規模な水道供給システムや産業用配管システムでは、ウォーターハンマーに対する適切な対策が不可欠です。
ウォーターハンマーを防ぐ方法
ウォーターハンマーを防ぐには、給水管内の水流を適切に制御し急激な圧力変化を抑えることが重要である。まず、水道の蛇口やバルブを閉める際はゆっくりと操作し水流の急停止を避けることが基本となる。特に電磁弁や自動バルブを使用する設備では、開閉速度を調整できる機能を備えた製品を選ぶと効果的である。次に、ウォーターハンマー防止器を配管に設置する方法があり、この装置は内部に空気室やスプリングを備え水圧の急激な上昇を吸収する役割を果たす。設置位置は、振動や衝撃が発生しやすい蛇口やバルブの近くが適している。
配管内の空気を適切に抜き、水柱分離が発生しないようにすることも重要である。エアチャンバーを設置すれば配管内の圧力変化を和らげることが可能となる。給水管の固定を強化し振動による影響を最小限に抑えることも有効である。固定が不十分な配管は衝撃を受けやすくウォーターハンマーの振動が拡大しやすいため、クランプや支持金具を適切に配置し振動を抑制することが求められる。また、配管の材質や口径を適切に選定し流速を制御することで圧力変動を緩和できる。特に細い配管では水流の速度が上がりやすくウォーターハンマーの発生が顕著となるため、必要に応じて配管径を大きくすることが望ましい。減圧弁を設置することで水圧の急変を抑え、配管内の圧力を安定させることが可能である。給水設備の設計段階で適切な流速や圧力を考慮しバルブや配管の配置を工夫することも有効な対策となる。特に高層建築では水圧が高くなりやすいため複数の減圧弁を段階的に設置することでウォーターハンマーの影響を最小限に抑えることができる。定期的な点検とメンテナンスを行いバルブや配管の異常を早期に発見することも不可欠であり、これらの対策を総合的に講じることで、ウォーターハンマーの発生を防ぐことができる。