水道の収録用語:送水装置
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送水装置
水源からくみ上げた水を配水管へ送り所定の圧力と流量で各家庭や施設へ届けるために送水装置が使われます。水圧が不足すると蛇口の勢い低下や給湯機器の不調につながり一方で過圧は漏水の誘因にもなるため現場では水圧計の値とポンプの運転音の変化も見て状態を判断します。
送水装置の基本構造
構成要素は水源とポンプと配管と調整機器が基本になり設備規模により予備ポンプや貯留設備が組み込まれます。水道修理では漏水の位置や圧力低下の原因をこの構成に沿って追うと切り分けが進みます。
・水源:送水の出発点となる水源は井戸や河川や湖沼や貯水池など地域で異なり取水設備で水を取り込み送水装置へ供給します。濁りや異臭が出る時は水源側の状態や貯留部の清掃状況も関係します。
・ポンプ:水を目的地へ押し出す中心機器がポンプで電力で加圧して必要な水圧を作ります。配管が長い時や高低差がある時は揚程不足で上階の水圧が落ちやすいので吐出圧と電流値の変化を確認します。
・配管システム:ポンプで加圧された水は主幹管から支管や分岐管を経て給水管へ流れ家屋や施設に届きます。材質と口径と曲がりの多さで抵抗が変わり老朽化で内面が荒れると流量低下や赤水の原因になることがあります。
・調整装置:流量や圧力を一定に保つため圧力調整弁やバルブや流量計などが設置されます。弁の固着やストレーナ詰まりで圧力が振れると蛇口の脈動や異音が出るため点検口で状態を確認します。
送水装置の動作原理
水源から供給された水がポンプに取り込まれ羽根車の回転で圧力を得て配管システムを通って送り出されます。送水圧力はポンプの能力だけでなく配管内の摩擦抵抗や高低差でも変わるため末端で水が弱い時は元圧と末端圧の差を見て原因を探ります。高層階へ送る系統では圧力不足が出やすく一方で急停止は水撃で配管に負担が掛かるので逆止弁や圧力タンクの状態も確認します。
送水装置の種類
用途や規模によって方式が異なり建物内給水向けと長距離送水向けで構成も変わります。選定では必要流量と必要揚程に加え停電時の対応や水質管理も含めて検討すると運用で困りにくくなります。
直結増圧式給水システム
水道本管からの水を外部ポンプで増圧して建物内へ送る方式で受水槽を介さず連続給水しやすい点が特徴です。低水圧の時間帯にポンプが頻繁に起動する時は圧力設定や逆止弁の不具合が疑われるため運転状態の記録を確認します。
貯水タンク式給水システム
水をタンクに一時保管して需要に合わせて供給する方式で夜間や需要が高い時間帯でも安定供給を維持しやすい利点があります。一方で清掃不足があると水質に影響するため濁りや臭いが出た時は貯留部と給水装置周りの状態も点検します。
高圧送水システム
長距離の送水で高圧ポンプを用いて圧力低下を抑える方式で水道事業や灌漑などで使われます。中継ポンプがある系統では圧力バランスが崩れると配管の振動や漏水が出やすいので圧力計の指示と異音を見て調整します。
水圧管理システム
配水の偏りを抑えて圧力を一定範囲に保つための管理機能でバルブや圧力調整機器や制御装置を組み合わせます。水圧が上下するとシャワー温度が安定しないなどの症状が出るため使用感と計測値を突き合わせて原因を整理します。
送水装置の設計と運用
設計は施設の規模と用途に合わせて流量と送水圧力を算出し余裕を持たせつつ過大な能力にしないことが重要です。運用では圧力設定の変更やバルブ操作が結果に直結するため点検時は設定値と開度を記録しておくとトラブル時の追跡が進みます。
・流量と圧力:使用点の数や同時使用を見込み流量と圧力を計算して必要な水供給能力を決めます。上階の水が弱い時は末端圧が設計値に届いているかを確認します。
・ポンプ選定:流量と圧力に合うポンプを選びエネルギー効率と起動回数も考慮します。起動停止が多いとモーターや継手に負担が掛かるため制御方式の見直しが役立ちます。
・配管設計:水を安全に送る経路として材質と径を選び配管の長さや屈曲部やジョイント部の損失も含めて設計します。老朽配管では腐食孔や継手の緩みで漏水が起きやすいので更新判断にもつながります。
・圧力管理装置の設置:圧力調整機器を設置して送水中の圧力変動を抑え均等な供給を目指します。調整弁の詰まりや固着があると急に圧が変わるため清掃と点検を運用に組み込みます。
メンテナンスと管理
定期点検ではポンプの異音や振動や発熱と配管の漏水痕を確認し圧力調整装置の劣化やストレーナ詰まりの有無も見ます。水質検査と圧力テストを定期的に行うことで不具合の兆候を早く捉え設備の安定運転につながります。
送水装置の未来
技術は進化しており高効率モーターや可変速制御で省エネを図る流れが広がっています。IoTを活用した遠隔監視では圧力と電流と漏水検知を記録して異常の兆候を把握しやすくなり運用の省力化が期待されます。
安定した給水を支える送水装置は適切な設計と運用と点検が重要です。水圧低下やポンプ異音や配管の湿りが続く時は応急的に止水や使用制限を行い状況を控えたうえで水道業者へ相談すると原因究明と再発防止が進めやすくなります。